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硬質で野性的ではあるけれどもどこまでも冷静に篤くなるギターの音。ああ、この音を聴くためにわたしたちはこの映画を観にきたのだと、誰もが思わざるを得ないそんな瞬間。死の持続と断絶の中に響く登場人物たちの声の質感に、胸をうたれる。現実の人生も映画というフィクションも突き抜けて、宇宙の果てまで飛び出した何かがそこで初めて聴くはずの音が、画面の向こう側から聞こえてきてわたしたちの脳を直撃する。

樋口泰人(映画評論家)

ロック映画ならではの疾走感や爆発力が前面に押し出されている。それでいながら、レンズ選びからカット割りのタイミングやリズム、人物の配置や動かし方まで、映像は緻密に計算されている。その緻密さが、疾走感や爆発力を削ぐどころか補強している熟練の技に圧倒される。若さと老練さを兼ね備えた今の石井岳龍は、もはや無敵である。

外山真也(映画ライター)

手を打つとか空気を読むとか、そんなことばかりの日常にうんざりしているあなたは、映画も人生もロックなんだ、鼓動なんだ、祭りなんだ・・とひたすらソレダケのことを全篇にわたって叫び実践し続けるこの映画に熱く浄められるといい。暴れまわる男たち全員が美しいこの映画に耽溺するといい。間違いなくあなたは軽やかに、解き放たれる!

樋口尚文(映画評論家、映画監督)

石井岳龍監督による実に14年ぶりとなるロック映画のなかで描かれているのは、"死んでも闘う不屈の意志"である。死んでいるように生きていくことを強いられる閉塞感漂う現世へのアンチテーゼとして、時間軸をシャッフルした現実と幻想のパラレルワールドを具象化することで泥くさくも生きていく強靭な意志の必要性を説いている。指鉄砲でも水鉄砲でもいい。どれだけ逆境に置かれようと正しくも間違いもない不条理な世界を撃ち抜くべく徒手空拳で立ち向かうこと。それが石井監督なりのロック観なのだろう。...
ケタ外れの轟音による凄まじい音圧を放射するbloodthirsty butchersの楽曲は映像と拮抗しながら有機的に絡み合い、表層的なコラボレーションではないことを雄弁に物語る。爆音3chバズーカ音響により吉村秀樹の魂は永遠に刻み込まれ、映画というパラレルな世界で現実とユニゾンしながら生き続ける。まさに"死んでも生きる"、主人公の大黒そのものなのだ。

椎名宗之(Rooftop編集長/インタビュー集『bloodthirsty butchers Rooftop Anthology 1999〜2014』編集者)

100%見たことないです。ストーリーも、音楽も、この映画に関わってる人全員が狂ってて非常識。
でもそれこそがこの映画の「愛」や「素直」で、ソレダケなんだと感じます。
生きようが死のうがそもそも関係なく、全部が生きている。そして、即死。

桃野陽介(MONOBRIGHT)

『ロック』それはある種の神通力だ。手を触れずモノを動かすのだから。

伊藤雄和 (OLEDICKFOGGY)

この世に存在しないものとして無視されている、どこかの誰かにとって非常に困るもの。
しかしそいつは確実に存在している。
抗うのは誰だ?
真実や事実を伝えているのが本物の映画であり音楽だ。
本物の音楽と本物の映画を同時に体感出来る機会に恵まれたことに感謝する。

FORWARD/ISHIYA

あらすじを要約すると、全力疾走恫喝拷問逃走口論恫喝拷問逃走反攻(以下略)。とにかくあれやこれやを、石井聰互…じゃなかった石井岳龍節全開で有無を言わさずねじ伏せる。疾走と焦燥と闘争。そして全編を覆うbloodthirsty butchersの演奏(もちろん轟音)。『狂い咲きサンダーロード』と『爆裂都市 BURST CITY』にやられた世代、間に合わなかった世代、bloodthirsty butchersに男泣きした奴、吉村秀樹の死後にその存在を知った奴、いずれもがその眼と耳に焼き付けるべき110分。

大越よしはる / 音楽ライター

スクリーンからほとばしる衝動と爆裂した「生」のエネルギー。bloodthirsty butchersの音と絡み合い世界はどこまでも閉鎖し、世界はどこまでも解放され加速する。 どうにもならない現実とそれに抗う力。僕の大好きな石井監督の映画がそこにはありました。

卍リョウ卍/アニパンク,CHAOS MARKET

此岸と彼岸のあいだにイナズマを鳴らす天変地異のコラボレーション。
観ていてやたら泣けたのは、この命がけの場所に幸福な祝祭感を運んでくれた勇敢な役者たちのせいかもしれない。
染谷将太が『シャッフル』的世界を生きるとは!

森直人(映画評論家)

「ロマンじゃ食えないけど、ロマンがなければ生きられない」by石井監督。ロマンチック万歳!! 三度の飯より爆音が好き!!

井上崇宏(KAMINOGE編集長)

ロックは単なる娯楽ではない!反抗や反逆のシンボルである!「やさしさロック」「絆ロック」「共感ロック」に慣らされたゆとり世代の若者どもに叩きつけるオールドスクール・パンク世代の熱い意気地に震えろ!

小野島大(オールドスクール・パンク評論家)

爆音フィードバックと吉村秀樹シャウトはんぱねぇ。バイオレンスも疾走感も熱量はんぱねぇ。ラストシーンに監督の意思がドーン(多分ね)。伝えるべくはソレダケか。しかと受け取りました(多分ね)。 しかしこのご時世にここまでやるかのハードコアは爽快通り越して心配になったりして。いやはや、めっちゃ聰互ってます (分かる人には分かる多分に失礼な物言い)。

MO'SOME TONEBENDER 百々和宏

観終えた時に残った感情、ただソレダケが、きっとこの映画の全てであり、このどうしようもなく無様で美しくて嘘だらけで真実しか見当たらない僕たちの何気ない世界の全てだと思う。それはただただザラザラしていて、そして優しい。彼の歌そのもの。

僕はそう、感じました。

LOST IN TIME 海北 大輔

試写を見た後、早く皆んなに言いたくて、情報解禁になるまで、ウズウズしてた。
「ヤッバイ映画見ちゃってさ」って。

進化、轟音、熱量、愛、爆裂、最狂、伝説、

是非とも劇場にて爆音で。

テッキン (BEYONDS)

イントロから剣で切りつけられたようなギターサウンド。
ライブハウスよりも強烈なんじゃないか?ってくらいのやつ。
ギターが大好きな人は是非体感してほしい。
高音の鋭さと、低音の爆発力、ギターという楽器の可能性を改めて感じました。

The Mirraz Vo.Gt.畠山

かなり聴き込んできたつもりなのに、
この映画で未だ知らなかったbloodthirsty butchersの音を体感しました。
いなくなってしまってからも驚かされるの何度目ですか!

鈴木喜之 / 音楽ライター

今回カメラマンとして7日間現場へお邪魔させてもらいました。以前「ELECTRIC DRAGON 80000V」に出演させてもらっていますが、出るのと撮るのは大違い。とにかくいかに皆さんの邪魔にならないかを心がけてコソコソしながら撮らせていただきました。撮影は炎天下の8月。地下や室内での撮影も空調無し。集合時間は早朝。自分はいつも撮影中、もしくは日没で撮影終了と同時に帰路についていましたが、とにかく皆さんタフでした。完成した映画を観てあのシーンがこうなるのかと、いろいろ学習させてもらいました。もちろん簡単に自分に取り入れられるようなものでは無いですが。いい出会いもたくさんありました。渋川君とは共通の友人や知人が多いことが分かったり、その後ライブ会場で会ったり。村上さんには写真についてアドバイスをいただいて、いい勉強になりました。綾野君は短時間でしたが最高の笑顔で接してくれました。染谷君とは映画の打ち上げでプロレス話で盛り上がりました。この映画で出会えた縁がまた違う現場で繋がっていったら最高です!全ては吉村秀樹の導きだと思います。なんでこの輪にいないんだ!ばかやろー!

菊池茂夫(Showcase)/ 写真家

死なんか蹴散らす。何度でも生きる。
なんでだ?怒りと憎しみがあるからか?本当の愛を知ったからか?
そんなことわからない。だから生き続ける、その先へ走り出す。

石井岳龍監督がbloodthirsty butchersとタッグを組んだ最新作『ソレダケ/that's it』。
社会や人間の暗部があぶり出されているが、時代とリンクさせようとは思っていないだろう。
そんなことより、興奮と緊迫と解放を描いているだけだ。
だけど、今、この時代にこの映画を観られたことが、私はとても嬉しい。とても重要な気がする。

何度でも生きられるのだ。その先へ走って行けるのだ。ブッチャーズの爆音と共に。

遠藤妙子 / 音楽ライター

追悼や感傷なんて皆無。
今ここから始まるありったけの「畜生」が撒き散らされていたんだ。
かくして、5月27日よりロック映画の定義が更新されます。

石井恵梨子 / 音楽ライター

まさに爆裂!
映像も
ストーリーも
音楽も
ずっとレッドゾーンに振り切れっぱなし。
ロック映画ってこういうことなんですね。
みなさんもライブ(劇場)で爆音で見てください。

RYOJI / TV-FREAK RECORDS,POTSHOT

ブッチャーズのアルバムを聴く時と同じ感覚……この音どうやって鳴らしてるんだ? を映像で感じられる……この絵どうやって撮ってるんだ? みたいな感覚……きっと吉村さんの頭の中を覗いても、石井監督の頭の中を覗いても判りっこない、ただひたすら聴き狂って観倒して、地獄の果てまで落っこちて逆にテッペンに登ってく感覚……誰かの不在を嘆いてる暇なんて、テメェの創造力でいくらでも埋められるだろうがよ! な喝を貰える最高のフッテージ。

日高央 / THE STARBEMS

(敬称略・順不同)